成人病は高血圧、糖尿病、高脂血症などの、循環器疾患や代謝疾患をさしますが、
英語ではlifestyle related diseaseといい、
生活習慣に関連した病気、という意味があります。
日本語では生活習慣病ともいわれ、
喫煙や、アルコールなどの嗜好や、前述の内科的疾患から、続発的に発症する疾患も含みます。
実際には、癌(がん)、脳血管疾患、心臓病なども生活習慣病とされており、
それらは日本人の3大死因ともなっています。
近年『メタボリック症候群』という概念が注目を集めていますが、
メタボリック症候群の本体は肥満であり、肥満は上記の疾患リスクを上昇させます。
成人病・生活習慣病の治療原則は、異常値が出ている病態に対する、
薬物治療ということになりますが、
その治療は、今現在の患者様の現状を、治療しているのではなく、
将来起こりうる疾病を、治療していくことになりますので、投薬治療を継続していく必要があります。
しばしば、患者様は薬づけにされていると感じる方もあるようですが、
当院では純分に納得していただいた上で、治療を継続するようにしています。
成人病治療は、『プライマリケア』、すなわち、疾病が起こる前から予防的に治療していくことが大切です。
当院において、患者様の成人病の病態コントロールを、できる限り良好とするために、
院内採血や院内検査で、受診当日に結果をお知らせできるように、
以下のような器機を導入しています。
血糖と糖尿病のコントロールの指標となるHbA1は、受診当日に測定し、
糖尿病のコントロールを厳格に行っていきます。
SI-3610は急性期炎症の指標となるCRPの測定もできます。
呼吸機能測定を行います。気管支喘息のみならず、近年話題となっている『慢性閉塞性肺疾患(COPD)』の診断と重症度分類を行います。
さらには、吸入薬剤の効果判定も行うことができます。
心臓弁膜症や心筋梗塞などの心疾患に対して心臓超音波検査を、肝臓・膵臓・胆嚢などの腹部臓器に対して腹部超音波検査を、甲状腺機能異常の場合は甲状腺エコーを施行し、動脈硬化が考えられる場合は頚動脈超音波検査を、予約で検査しています。
心臓弁膜症や心筋梗塞などの心疾患に付随して生じる不整脈、あるいは原因不明の不整脈に対して不整脈の検出と重症度分類を行います。
当院のホルターは入浴可能です。暑い夏でも比較的快適に検査が施行可能です。また、以前と違い、器機自体が軽量化されていますので、日常生活への影響は少なくなっています。
虚血性心疾患・心臓弁膜症などの心疾患や心房細動に対するワーファリン治療中の患者様の凝固機能測定に用います。
抗凝固療法は、出血傾向と表裏一体の治療ですので、受診時に結果をお知らせできるのは、副作用を予防する観点から患者様にとってメリットがあります。