若い頃は、循環器内科医として、臨床に携わっていましたが、
その時の恩師の言葉が、自分自身の座右の銘となっています。
「~この患者さんが、自分のお母さんだったら、どう治療していくの~」
という問いかけです。
今も患者様を診る時のその気持ちは、変わっていません。
拝見させていただいている患者様に、
最も有益と考える治療を
常に実践するために努力しています。
大阪医科大学で、永らく循環器医として診療を行っていましたが、
教授からの要請もあり、総合内科医に転向しました。
総合内科での診療を行っている間に
(現在も大阪医科大学総合内科で外来診療を続けていますが・・・)、
西洋医学で治せない多くの患者さんと出会い、
治療手段を広げるために、
漢方を勉強しました。
漢方は西洋医学と違い、病名ではなく
患者様の症状を中心に治療していく治療手法です。
西洋医学的には病名がつかなくても(しばしばそれは不定愁訴と呼ばれますが・・・)、
漢方医学的には"証"と呼ばれる病態の診断は、比較的容易で、
その証に基づいて治療を行っていくことができます。
漢方のおかげで、治療することができなかった患者様にも
治療を行っていくことが可能となって、自分自身と患者様にとって
良い医療ができているのではないかと考えています。
副院長・内科部長として勤務していた、前任病院では、
漢方外来を新たに開設して、種々の症状でお困りの患者様の診療を続けてきました。
また、大阪医科大学病院総合内科外来では、
漢方と西洋医学の両方の良さを取り入れ、
それらをハイブリッドさせた治療を行っています。
当院外来でも、大学病院や漢方外来でのノウハウを、
余すことなく実践するようにしています。
前任の病院では、副院長・内科部長として、救急医療に力を注ぎ、
さらに、高血圧・糖尿病・高脂血症などの
成人病、慢性呼吸器疾患、心不全・不整脈などの慢性心臓病を、
入院と外来で治療してきました。
当院の外来においても、成人病治療には重きを置いており、
糖尿病患者様には、血糖値とコントロールの指標となるHbA1cを、
不整脈の患者様には、血液のサラサラ度を示すプロトロンビン時間を、
慢性呼吸器疾患の患者様には、呼吸機能検査であるスパイロメトリーを、
受診当日に行っています。
また、心疾患に対して、心臓超音波検査と不整脈に対してホルター心電図、
肝臓・膵臓・胆嚢などの腹部臓器に対して、腹部超音波検査、動脈硬化の指標となる頚動脈超音波検査を、予約で行っています。
漢方を始めてからは、漢方教育にも力を入れており、
漢方の勉強方法や魅力について語る講演を、
日本全国各地の、医師会の教育講演や漢方セミナーにおいて、積極的に行っており、
平成24年9月には、日本IVF(不妊治療)学会において、
不妊症に対する漢方の招請講演も行いました。
また、平成23年10月には、不定愁訴のコメンテーターとして、
読売テレビ『ミヤネ屋』に出演し、全国の視聴者の方々にも、
東洋医学の話をすることができました。
初心を忘れずに、これからも、がんばっていきたいと思います。